東京北海高等学校

 

おたふくかぜ

■おたふくかぜの原因

おたふくかぜは、6歳までの子どもに多く流行するウイルス性の疾患です。おたふくかぜは、ムンプスや流行性耳下腺炎とも呼ばれ、ムンプスウイルスに感染することが原因です。
感染者のうち、約60%が3~6歳の子どもで、基本的には子どもの感染症と言えます。ですが、大人が罹患すると症状が重くなりやすいため、注意が必要です。

■おたふくかぜの主な症状

おたふくかぜは多彩な症状が約1~2週間程度続きます。
突然の発熱と耳の下の腫れ・痛みが生じ、唾液を飲み込む時の痛みで食事がとれない、倦怠感、頭痛などの症状が一般的です。耳の下の腫れは両側・片側のどちらのパターンもあります。
潜伏期間は2~3週間程で、30%の人は症状が出ない不顕性感染で経過します。
おたふくかぜは基本的に何度もかかる感染症ではありません。もし似たような症状を繰り返している場合は、反復性耳下腺炎の可能性があります。これはムンプスウイルスの感染が原因ではなく、唾液腺の以上や他のウイルス感染、アレルギー、虫歯などが別の原因として考えられます。

おたふくかぜは軽い病気と思われがちですが、合併症や後遺症の割合も意外と高い疾患です。最も危険な合併症は脳・髄膜炎です。精神症状や神経症状を呈し、まれに後遺症を発症します。年齢が上がるほど症状が重くなる傾向があります。また、ムンプス難聴などにも注意が必要です。

■感染経路と予防

おたふくかぜは、ウイルスを含んだせきやくしゃみを吸い込んで感染する飛沫接触と、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることでウイルスが体内に侵入して感染する接触感染が感染経路です。
感染力は非常に強く、ひとり感染すると子どもたちの間であっという間に流行します。そのため、登園や登校について学校保健安全法で出席停止期間が定められています。
「耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹(耳の下の腫れ)が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで」は保育園や幼稚園、学校行ってはいけません。腫れが出た日を0日としてへ数え、5日目までに体調が良くなってもお休みです。また、5日を過ぎていたとしても、発熱が続いていたり倦怠感があるようなら、引き続きお休みです。

感染力が強く、合併症の恐れもあるおたふくかぜですが、ムンプスワクチンで予防することができます。
ムンプスワクチンは定期接種ではなく任意接種で、費用は自己負担となります。期間を開けて2回の接種が必要で、1歳から受けられます。2回の予防接種でほぼおたふくかぜに罹ることはなくなり、 もし罹ってしまった際も重症化を防ぐ効果があります。
当院でも接種の予約を受け付けております。ワクチンに関するご相談も遠慮なくお問い合わせください。


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