令和4年5月1日
「先生、僕のことわかる?」聞き覚えのある声が電話口から聞こえてきました。1年ほど前に塾を辞めた○○くんです。受験して市内県立高校へ合格したと報告をしてくれたのです。いわゆる反抗期のひどいやつで、中2までは塾にも来てくれたのですが、勉強もしない、親にウソをついて遊び歩くなどが続き、心配をしていた彼でした。「あの時はごめん、心配かけました。高校でも吹奏部に入ろうと思います。」と話してくれて、いつかは反抗期も収まるんだなとホッとした瞬間でした。
手をあげて横断歩道をわたりましょう
正式な交通ルールとして去年43年ぶりにこのスローガンが復活しました。
交通工学が専門の国士舘大学の寺内義典教授が、横断歩道を渡ろうとするときのジェスチャーを変えて、どれくらいドライバーが歩行者に気づいて止まってくれるか実験をしました。
1.ジェスチャーを何もしない→止まる(156台中6台、4%)
2.手をあげる→止まる(167台中70台、42%)
何もしない場合の10倍近くが止まってくれました。また、
3.手をあげて目をあわせる→止まる(168台中93台、55%)
4.手をあげ、目をあわせ安全な位置で歩き出すように見えるような姿勢を取る→止まる(168台中99台、60%)
と、手をあげただけの場合に比べて1.5倍近い車が歩行者を優先してくれました。ドライバー側も、渡ってもらうために止まっていますよ、安心してわたってくださいという意図が子供たちに伝わるように、手でどうぞというサインを送ったりすることも大切だと思いました。
イモリがヒトを救う
筑波大学他の研究グループが、イモリの飛びぬけた再生能力に注目しこれを再生医療に結び付けようと取り組んでいます。日本固有種の「アカハライモリ」の全身のさまざまな部位から皮膚を切除して傷口の再生を観察したところ、皮膚が傷痕を残さず、ほぼ完全な形で再生することを確認しました。イモリは、手や足を何度切ってもちゃんと生えてくるし、心臓や脳も再生するし、眼球の水晶体を19回取り除いても元通りに再生したそうです。ヒトの場合、皮膚が傷つくとかさぶたができ、その下でだんだん傷口を固めるのですが、イモリの場合には、洋服の破れた部分を縫い糸や当て布でふさぐのではなく、洋服全体のサイズがギュギュっと伸びて大きくなり、それで緩んだ部分がそのまま破れ目をふさいでしまうようなイメージで、皮膚が再生することがわかりました。研究が進めば、やけどやケガで顔などに傷ができても、イモリのように傷痕を残さず治療できる日が来るかもしれません。
監督の英断
2019年夏、第101回全国高校野球選手権岩手大会決勝戦において、大船渡高校の佐々木朗希選手は登板することなくチームも花巻東高校に2-12で敗れ、35年ぶりの甲子園出場を逃しました。試合後國安陽平監督は「3年間で一番壊れる可能性があると思った。故障を防ぐために佐々木の登板回避を判断した」と述べ、大船渡高校には2日間で250件もの苦情が殺到し、監督更迭の話も出たといいます。佐々木の起用法を巡っては野球関係者や評論家の間でも賛否両論が巻き起こりました。しかし、その後ドラフトで千葉ロッテマリーンズに入団、先月4月10日、ロッテ×オリックス戦で、日本プロ野球界28年ぶり16人目の完全試合を達成しました。スポーツが原因で体を壊した子供を多く診察している整形外科医の中には、指導者はこうあるべきだと述べている人もおり、あの時の大船渡高校の國安監督の英断がなかったら、今回の佐々木朗希投手の完全試合はなかったのかもしれないと思いました。
停電したらマンションに入れない
春からオートロック付きのマンションで一人暮らしをしている子供さんがいるご家庭もあるかと思います。さて、停電になった場合、オートロック機能はどうなるのでしょうか。
停電時には解錠されるパターン。停電になるといつもの方法で施錠できなくなり、手動でドアを開閉することになり、中から外へ出る場合は手を使って開けることになります。ほとんどのオートロックはこのパターンだそうです。
停電時には施錠されるパターン。ドアの外側からはカギを使って、うち側からはサムターンやハンドルを回すことで解錠します。鍵以外の非接触型カードキーなどは電気が使えない時は解錠できなくなる可能性もあり注意が必要です。非接触型カードキーしか使っていない人は、念のため鍵も持っておく必要がありそうです。
いざというときにあせらないためにも、オートロックをどのようにして解錠するかを覚えておく、また、不審者に備えて玄関ドアや窓の施錠をしっかりするなどの必要があります。
イヌがイヌを救う
供血犬というボランティア犬の存在をしっていますか?手術などで犬が輸血が必要な時、供血犬が活躍します。日本では、まだ動物医療における献血システムや血液バンクは確立されていませんが、海外では血液バンクが広まりつつあるそうです。ペットの献血は日本ではまだ認知度が低く、施設やドナーが不足しています。犬の血液は長期保存ができない他、血液の安全性や品質などを確認した上、国の承認を受ける必要があるということです。また、日本では小型犬の飼育頭数が多く、供血犬になる大型犬の飼育頭数が少ないことも血液不足になる一因だそうです。
供血犬ボランティアの条件は、1〜8歳程度の健康な成犬、中型〜大型(10キロ、または15キロ以上)、各種ワクチン接種済み、過去に輸血を受けた経験がない、血液の病気がない、避妊手術済みの女の子(妊娠出産歴なし)、交配未経験の男の子、血液型のマッチングをクリアするなどの条件があるそうです。
ものまね細胞
“ミラーニューロン”と呼ばれる神経細胞脳の働きで、共感細胞、ものまね細胞とも言われるものです。脳の発達した生物で見られ、イタリアにあるパルマ大学のジャコーモ・リッツォラッティらによって1996年に発見されました。
尊敬する人をいつも見ていたり一緒に過ごしていると、だんだんその人の口癖や考え方・行動が似てきます。バイオリンの先生が、生徒が弾きたいと思うまで生徒の前でバイオリンを弾き続けると、やがて生徒がバイオリンを弾きたい気持ちになり、先生の真似をしようと技術を習得していくのだそうです。そのことを勉強に取り入れると、一人で勉強しようとするより、周りの仲間が一緒になって頑張ったり、たとえばうまく数学の問題が解ける仲間や友達がいて、だんだん自分もその人のようになりたいと思うようになることで、その方法が身についていくということが起こります。あの人のようになりたいと思うことは成功への近道なのですね。